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丹波篠山が舞台となった映画「森の学校」【聖地巡礼】原作「少年動物誌」の世界

最終更新日: 2024/02/20

映画「森の学校」とは

映画『森の学校』は、兵庫県丹波篠山市出身で、霊長類学の世界的権威・河合 雅雄 先生の『少年動物誌』(福音館書店 刊)を原作として製作されました。※野間児童文芸賞推薦作品賞受賞

 
1976年初版。少年動物誌 (福音館書店 刊)は45年以上続くベストセラーとなっている。

この作品の映画監督である 西垣吉春さんも、丹波篠山市のご出身です。

映画「森の学校」は、丹波篠山の雄大な自然や景色を大きな画面で見てほしいという監督の思いから、映画館のみでの上映となっており、ファンの中では「幻の映画」と呼ばれています。(現在はDVD化、動画配信などはされていません)

▼▼パンフレットや上映についての情報はこちら

映画「森の学校」公式サイト

順次、上映映画館の情報が更新されています。

※映画の画像は©2002森の学校製作委員会より拝借しております。

子どもの自然を取り戻そう

主演は、神崎愛さん(母親役)と篠田三郎さん(父親役)。

そのおふたりに愛情をもって育てられる息子、雅雄役を、三浦春馬さん(当時12歳)が熱演されています。そして、多くの生き物(昆虫や動物など)も出演します。

この生き物たちとの触れ合いや、生き物の生と死から、自然との共存や命の尊さを学びます。

野山を駆け回り、川や田んぼで泥だらけになりながら遊ぶ中で、自然の美しさや命の大切さを学んでいく子どもの成長が描かれています。

やんちゃなこどもは身近にいますか。

あなたはどんなお父さん?どんなお母さん?

▼丹波篠山市内に生息する代表的な生きものや絶滅のおそれのある生きもの、それらを取り巻く環境や私たちの暮らしとの関わりを紹介した冊子はこちら。

マトとミトが育った環境

現在は【兵庫県丹波篠山市(たんばささやまし)】と呼ばれますが、当時は【兵庫県多紀郡篠山町(たきぐん ささやまちょう)】と呼ばれる地でのびのび育った河合兄弟。

マト(雅雄)は、歯科医の父と、音楽を愛する母のもと、男ばかりの兄弟の三男として育てられました。

喧嘩が強く、近所の子とつるんではヤンチャをし、また、「昆虫博士」と呼ばれるほど、昆虫や動物が大好きな子ども。しかし、病気のため何度も学校を休み、勉強についていけなくなることもありました。そんな困難を乗り越えることができたのは、丹波篠山の自然とのふれあいをたくさん持てたことが原動力となりました。

河合家の子ども達が野山を駆け回った昭和10年代。映画は2002年に製作されたものですが、それを感じさせない程、丹波篠山にはあの頃と変わらない景色が今もたくさん残っています。

「少年動物誌」「森の学校」ゆかりの地

※現地を訪問される際は近隣住民の皆様のご迷惑にならないようマナーを守って訪問されてください。
 ご注意・ご協力をよろしくお願いいたします。
※ロケ地の説明には、映画のネタバレを含みます。

篠山城跡

1609年に徳川家康が、大坂の豊臣氏をはじめとする西国諸大名のおさえとするため、15か国20の大名の助役を動員し、わずか6ヶ月で築城した城です。

実際に、河合兄弟が通学していた篠山小学校(映画撮影は京都府京丹波町の旧和知第二小学校)は、この篠山城のお堀の中にあるという、大変珍しく歴史のある小学校です。


篠山城跡から見る篠山小学校

いつの時代も、篠山城跡は市民の憩いの場・遊びの場として親しまれています。

映画の中では、石垣に登り、ゴリラ(島木譲二さん)に怒られたり、青山神社のそばにあるスモモを取るシーンなど、何度も登場しています。

河原町妻入商家群(鳳凰会館)

国重要伝統的建造物群保存地区。京街道に沿って商家を中心とした地区で、江戸時代からの佇まいを残しています。

この地区の中にある鳳凰会館は、映画の中で、河合家が営む歯科として映し出されました。

すでに舗装されている道路を、昭和の時代を再現するため、砂をまいて撮影。撮影後の、砂の回収が大変だったと、西垣監督は振り返ります。河合家の家の中の様子は、映画の撮影所で撮影されたそうです。

春日神社の秋祭り

篠山城跡(当時は『山』という丘)から、篠山城が築城される時に現在の場所へ遷されました。
能楽愛好家であった篠山藩の13代藩主、青山忠良によって江戸時代末期に建てられた能舞台は、建築当時、当時箱根以西において最も立派なものであると称えられました。平成15年、国の重要文化財に指定。
現在でも、1月1日には「元朝能」4月上旬に「篠山春日能」が催されています。

10月には、祭礼が行われ、神幸の渡御行列や鉾山の巡行、太鼓みこしの巡行が今も残っています。子どもは鉾山にのり、大人はみこしを担ぎます。

海から遠い丹波篠山では、福井県の若狭から運ばれてきた塩鯖と、収穫したての丹波篠山の米で作る『鯖寿司』や『箱寿司』は、今も秋祭りに欠かせないごちそうとなっています。

祭の夜は、参道に多くの屋台が立ち並びます。
映画の中では、マト(三浦春馬さん)とミト(小谷力さん)が、能舞台に登ってふざけているところを怒られたり、ハムスターを香具師(福本清三さん)から買うシーンで映し出されました。

南馬出・小林家長屋門

【小林家長屋門】篠山藩主 青山忠裕が、老女 小林千枝のために改築した長屋門。江戸時代後期に建てられた丹波篠山市内に残る、数少ない武家長屋建築の1つとして貴重なことから、兵庫県指定文化財に指定されています。

【南馬出】城の出入口は大変重要なところで虎口と呼ばれています。そしてこの防備には最大の知恵がしぼられていました。馬出は城への通路を複雑にし出入口を守るための施設でありここにあらかじめ兵馬を繰り出しておきいざという場合は馬出の門を開いて打って出るたまり場でもありました。篠山城の南馬出は、今も当時のかたちを残す貴重な場所です。

小林家長屋門は、バスから降りてきたヒロイン役の美代子(小峰玲奈さん)と美代子の母親(日向明子さん)が、祖父(織本順吉さん)の家に向かっているところを、子どもたちが後ろから追いかけるシーン

南馬出は、城跡盗んだスモモを食べるシーンや、バスが到着するシーンなどで映し出されました。

郡家(グンゲ)の憲兵隊

丹波篠山市郡家(ぐんげ)という地域には、明治41年頃から終戦までの約40年間「歩兵第70連隊」と呼ばれる、大日本帝国陸軍の連隊が設置されていました。

盃ヶ岳・多紀連山などの裏山を演習場代わりにした苛烈な訓練で知られており、「丹波の鬼」と称され、全国にその名をとどろかせていました。

彼らの銃の訓練で捕獲したイノシシの肉を、みそ汁に入れて食べるようになり、「丹波篠山の猪肉は最高だ」と、全国に丹波篠山のぼたん鍋が知れ渡ったと言われています。


郡家の兵庫県篠山庁舎そばにある歩兵第70連隊跡の記念碑と丹波篠山が発祥の地である、兵庫県の郷土料理「ぼたん鍋」

丹波篠山 【ぼたん鍋ガイド】

撮影に使われたのは、丹波焼の郷である、丹波篠山市今田町の立杭にある、「大熊窯」の建物。

実は、この建物は、映画の中で郡家の憲兵隊(外観)】のシーンと、【美代子の祖父の家(美代子を預かって欲しいとお願いするシーン・建物の内側から外の登窯を背景に)】の2場面で登場しているのです!

現在は、作品や器などを販売するギャラリーに改築されていますが、撮影で映し出された登窯は、今も健在です。
最古の登窯に匹敵する大きさをもつ、大熊窯の登窯は、道路沿いで立ち寄りやすく、駐車場も広く確保されています。
タイミングが良ければ、ギャラリーにいらっしゃる奥様から、撮影当時の子どもたちの様子などお話を伺うことができます◎

 

丹波立杭焼 大熊窯:丹波篠山市今田町上立杭尾中1
TEL・FAX:079-597-2345

丹波篠山市曽地中(桜の木)

パンフレットや、映画の絵のモチーフとなっている木


この木の場所は私有地となっているため、田んぼの中に立ち入らないようご注意ください。
下記地図の「フォトスポット」から映画のような雰囲気で撮影いただけます。

お車でお越しの際は、「曽地中公民館(丹波篠山市曽地中341)」に駐車し、路上駐車をされないようご注意ください。


▲クリックすると大きく表示されます

波々伯部(ほうかべ)神社

「丹波の祇園さん」と呼ばれる神社。青銅の鳥居は、日本最古のものと言われています。

境内には4本の杉の巨木、参道にはケヤキが両側に並んでいます。

映画では、ガキ大将の座を上級生のセイヤン(向田祐介さん)から譲り受けるシーンや、子供達が縄跳びをするシーンなどで映し出されました。

弁天橋

「丹波富士」ともよばれる高城山を一望できる弁天橋。

高城山には、戦国時代の代表的な山城である八上城跡があります。
八上城の城主であった波多野秀治は、織田信長が明智光秀に命じた「丹波攻め」により落城しました。

学校を休んでいた雅雄が、上田先生(みや なおこさん)と話すシーンや、台風のあとお父さん(篠田三郎さん)と魚たちの心配をするシーンで弁天橋は映し出されました。

お立ち寄りの際は、厳島神社(丹波篠山市野間419)へ駐車していただき、河川の流れにはご注意下さい。

丹波焼(立杭)登り窯

丹波焼は、丹波篠山市今田町の立杭という場所で育まれてきた、日本独自の焼き物です。
日本遺産の「日本六古窯(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)」に登録されています。

昔は、「立杭焼」や「丹波立杭焼」などと呼ばれていましたが、2014年に「丹波焼」という呼び名に統一されました。

丹波焼の窯元は、「登り窯」という、山の傾斜を利用して作られた窯を持っています。

「日本最古の登窯」は47mもの大きさを誇り、今でも年に一度、三日三晩かけて作品を焼成します。

映画の中では、美代子の祖父が、登り窯の焼成をしていました。この撮影のサポートをされたのは、「千代市陶房」の清水千代市さん。

清水千代市さんは、西垣監督のご友人ということもあり、登り窯の撮影シーンを終始サポートされています。撮影用の登り窯の手配、薪を燃やし、登り窯を覗くシーンなど、当時の撮影の様子を、タイミングがよければ詳しく教えてくれます。

千代市陶房:丹波篠山市今田町上立杭5  079-597-2288
営業時間:10:00〜17:00  定休日:不定休

丹波篠山市大山宮(旧園田家)

篠山藩の頃(1860年頃)には、藩内随一の大高持となった記録のある、庄屋「園田家」の屋敷。

現在は「mocca」という複合商業施設にリノベーションされております。

敷地面積1000坪の中には、「木のある暮らし」をテーマにしたカフェや、木工クラフト工房、コワーキングスペース、宿泊スペースなどが設けられ、木の香りと温もりに包まれながらゆったりとした癒しの空間を楽しめます。

映画では、河合家のおばあちゃん(雪代敬子さん)の家として登場しました。

 

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盃ヶ岳

マト「この森に動物園を作るのが俺の夢なんや」

美代子「森のいい薫り~」

ふたりが森を歩くシーンは、盃ヶ岳(通称 さかずきやま)の【ささやま浜谷水辺の森】で撮影されました。盃ヶ岳は、標高497mの山。多紀連山の最前衛に位置しており、雲海の名所として知られています。
また、この森は浜谷池を中心に、かつては薪や落ち葉を取るための里山林でした。
四季を通じ、小鳥のさえずりが谷間にこだまします。

 

権現山(諏訪神社)

749年頃、信濃国(長野県)諏訪大社のご分霊を勧請したものと伝えられています。

諏訪大社は、古くから国家安泰・武運長久・五穀豊穣・生業繁栄を祈り、近来は生命の根源、生活の源を司る神として崇敬されています。

映画の中では、マトとミトが机を運んだ森として映し出されました。

諏訪神社:丹波篠山市西岡屋579

弓月神社

激しい雷雨が来て、子どもたちが雨宿りした神社。

弓月神社:篠山市八上上197

ササユリ

ササユリは、丹波篠山市の市花で、日本原産のユリで可憐な淡いピンク色や白色の花を6月ごろに咲かせます。

鐘ヶ坂不動滝(丹波市)


マトとミトが、夜遅くまで遊んだ森の滝に打たれるシーン。

鐘ヶ坂公園:〒669-3304 兵庫県丹波市柏原町上小倉

子どもと一緒に訪れたい!森のおすすめスポット

森の学校ギフトボックスについて

子どもたちは今日も里山を駆け回り、昆虫を捕まえたり自然と触れ合って過ごしている。そんな景色が目に浮かぶ、丹波篠山で育まれた豊穣のギフトボックスです。

丹波篠山の素材は原価が高く、加工品として使われにくいのですが、「本物の丹波篠山産」に触れていただだけるお土産として、自信を持ってお渡しできるオリジナルギフトが完成しました。
このギフトを通して、素晴らしい食材を生産される地元の農家さんへ還元できたら幸いです。

詳しくはこちらからご参照ください

参考サイト

映画「森の学校」公式サイト

・丹波新聞記事「ジンクス破った三浦春馬さん 監督が語る天性の才 子役時代の映画再上映へ

・神戸新聞記事「三浦春馬さん子役時代の熱演映画に脚光 2千人のオーディションから選出「素質感じた」

・朝日新聞記事「子役の三浦春馬さんに「光っているね」才能見抜いた監督」(有料記事)

「森の学校」製作風景(動画)

映画 森の学校 公式Twitter

ぶらり丹波路(フォトギャラリー旅丹)(丹波地域のフリー画像)

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